たまご新聞「卵と抗生物質の話」

たまご新聞「卵と抗生物質の話」

広島県庄原市で採卵養鶏場を営んでいます、有限会社グリーンファームです。

たくさんの養鶏場さんが記事にされているようですが、こちらでも書かせていただきたいと思います。卵と抗生物質の話です。。

食の安全を考える上で、鶏卵に関しては鶏へのワクチンだったり抗生物質・抗菌薬を使用することで、卵に薬の成分が入っているのでは??と心配される方もいらっしゃるようです。無農薬野菜が注目されている現代では、気になるのは当然ですね。

世の中には、『抗生物質・抗菌薬は一切使用していません!』とアピールしている業者さんや、『日本の卵は抗生物質が入っているから危険だ』などの不安になるような記事を見かけます。抗生物質・抗菌薬不使用と書いていない卵は、あたかも入っているかのよう…そもそも抗生物質や抗菌薬は、法律によって厳しく使用が制限されています。

飼料添加物として認められたもの以外の抗菌性物質を飼料へ使用することは禁じられています。治療や予防目的で使用できる抗生物質などの抗菌性飼料添加物は特定のものが指定されており、その使用量も定められています。さらに採卵鶏においては、そのような飼料を使用するのは孵化後おおむね10週齢までの雛(卵はまだ産んでいません)に限られています。(「飼料安全法」及び「飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令」より)
したがって卵を産む採卵鶏には、抗菌性飼料添加物を含む飼料はそもそも使えないのです。

食品衛生法を見ても、農薬・薬品等が残存しているものは販売できないことになっています。

つまり、法律で禁止されているから使わないのが当たり前。当たり前だから書かない、書いてはいけないんです(書いたら景品表示法違反になります)。

こだわっているからこそアピールしたい、という気持ちはとてもよくわかります!(私も書こうとしてた…)法律の観点からも特に人の体に入るものの表示方法については、きちんと学ぶ必要があるなあと感じています。