たまご新聞「発酵鶏ふん堆肥とは?―「発酵」って何?」
広島県庄原市で採卵養鶏場を営んでいます、有限会社グリーンファームです。
弊社は採卵養鶏場ですが、どんな養鶏場でも必ず出てくるのが鶏ふん。「たまご」の生産に関わるものとして、鶏ふんについてもこの「たまご新聞」でお届けしていきたいと思います!
畑づくりや家庭菜園をしていると耳にする「発酵鶏ふん堆肥」。
でも、「そもそも発酵って何?」「普通の鶏ふんとどう違うの?」と思ったことはありませんか?
ここでは、発酵の仕組みと、発酵させた鶏ふんのメリットについてご紹介します。



発酵って何?
発酵とは、微生物の働きによって有機物を分解し、新しい物質へと変える働きのこと。
パンを膨らませたり、味噌や醤油をつくったりするのも「発酵」です。
一方で、同じ「分解」でも、悪臭を出しながら腐っていくのは「腐敗」。
発酵と腐敗は、関わる微生物や条件の違いによって分かれるのです。
鶏ふんを発酵させるとどうなる?
生のままの鶏ふんは、栄養をたっぷり含んでいますが、そのまま畑にまくのはおすすめできません。
未発酵の状態では、微生物が活発に分解を進める過程でアンモニアガスや硫化水素などのガスが発生します。
これらは強い刺激臭の原因になるだけでなく、植物の根を傷める「ガス障害」を引き起こすことがあります。
根の周囲にガスが溜まると、酸素が不足し、根が呼吸できなくなって枯れてしまうこともあるのです。
発酵でガスも臭いもやわらぐ
鶏ふんをしっかりと発酵させることで、これらの未分解成分が安定し、
アンモニアなどのガスが減って、においもぐっと穏やかになります。
発酵の過程では60℃以上の高温になるため、病原菌も死滅。
栄養分もバランスよく分解され、作物にやさしい堆肥へと変わっていきます。
発酵鶏ふん堆肥のメリット
- 土をふかふかにする
有機物が分解されることで、土の団粒構造ができやすくなります。 - 作物にやさしい栄養
窒素・リン酸・カリウムなどの栄養が、ゆっくり効いて長持ちします。 - においが少なく扱いやすい
発酵によって刺激臭が抑えられ、家庭菜園でも安心して使えます。
まとめ
「発酵」とは、微生物の力を借りて鶏ふんを分解し、より安全で扱いやすい堆肥にすること。
発酵鶏ふん堆肥は、野菜や果樹、花づくりまで幅広く使える、自然にやさしい肥料です。
近年、化成肥料の価格が高騰していることもあり、あらためて鶏糞堆肥などの有機資材が注目されています。環境にもやさしく、持続的な土づくりにもつながる資材として見直されています。
家庭菜園や畑の相棒として、ぜひ活用してみてください!
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