たまご新聞「カラザは新鮮さのしるし ― どんな役目をしているの?」
広島県庄原市で採卵養鶏場を営んでいます、有限会社グリーンファームです。
今年ももうあとわずかとなりましたね。農場付近は一晩でたくさん雪が降り、今日は農場内も雪景色となりました。
今日は先日テレビで話題になっていた、カラザのお話。

たまごを割ったとき、卵黄のそばに白い“ひも”のようなものが見えますよね。
それが カラザ です。先日のテレビ番組によると、取り除いている人も多いと聞いてびっくり。
本当は卵にとってとても大切な役割があります。
■ カラザの役目:卵黄をまんなかに保つサポーター
カラザは、卵管の中で卵が形成される過程の中で卵白が回転することでできた自然な構造で、
卵黄が殻の中心に留まるように支える“サポート役” をしています。
卵ができる過程で必ず生まれるもので、決して異物ではありません。
■ カラザがよく見えるのは、新鮮なたまごの証拠
卵白には 濃厚卵白(ぷるんとした白身)と
水様卵白(さらっとした白身)の2つの状態があります。
たまごが新鮮なほど濃厚卵白の粘りが強く、
そのおかげでカラザがはっきりして見えるのです。
時間が経つと、卵白の粘りが少しずつ弱まって
濃厚卵白が水様化していきます。
こうなると目立たなくなってしまうのです。
つまり、
カラザがしっかり見える=たまごが新鮮
という、とてもわかりやすい目安になります。
■ 食べても安心。ほとんどがたんぱく質
カラザは卵白の一部がねじれてできたもので、成分も卵白とほぼ同じたんぱく質が中心です。
リゾチームなども含まれていますが、ほかの卵白と同じように体の中で消化・吸収されます。
だからこそ、安心してそのまま食べていただけます。
■ 知ってほしいこと:カラザは“いい卵のしるし”
カラザは不要なものではなく、
卵を守るための自然な仕組み です。
見つけたときは、
「この卵は新鮮なんだな」と、安心のサインとして見てもらえたら嬉しいです。
最後になりましたが、本年も大変お世話になりました。
たくさんのご縁に心より感謝し、良い年をお迎えください。

