たまご新聞「筋トレに卵は欠かせない?加熱と生食の違いを比較」

たまご新聞「筋トレに卵は欠かせない?加熱と生食の違いを比較」

広島県庄原市で採卵養鶏場を営んでいます、有限会社グリーンファームです。
マッチョが生卵を飲むイメージってありませんか?今回はその真相についてお話ししたいと思います。

はじめに:筋トレと卵の深い関係

卵は「完全栄養食品」として知られ、筋トレをする人の間でも定番の食材です。手頃な価格で高品質なタンパク質を摂取できることから、食事に取り入れている方も多いのではないでしょうか。今回は「生卵」と「加熱卵」の違いに注目し、それぞれのメリット・デメリットを比較していきます。

ちなみに、「マッチョ=生卵を飲む」というイメージは、映画『ロッキー』で主人公が早朝に生卵を飲むシーンで有名になったことが背景にあります。根性やストイックさを象徴するような描写でしたが、実際の栄養面での効果についてはどうなのでしょうか? その点も含めて見ていきましょう。

卵が筋トレに向いている理由

卵にはアミノ酸スコア100の良質なタンパク質が含まれており、筋肉の材料として非常に優れています。加えて、ビタミンB群や鉄、亜鉛、脂質など、筋肉の修復・合成に関わる栄養素もバランスよく含まれています。

生卵のメリットとデメリット
メリット
  • 調理の手間が少なく、手軽に摂取できる
  • 黄身のビタミンや抗酸化成分を加熱による損失なく摂れる可能性がある
  • 日本独自の食文化に根ざした料理(納豆、卵かけご飯、すき焼きなど)に使いやすい
  • 卵本来の味わいや風味を楽しめる
デメリット
  • タンパク質の吸収率が低い(約50~60%)
  • 卵白に含まれるアビジンにはビオチン(ビタミンB群)の吸収を妨げる性質がある(ただし、通常の食生活で問題になることはほとんどない)
加熱卵のメリットとデメリット
メリット
  • タンパク質の吸収率が高い(90%以上)
  • アビジンが熱で変性し、ビオチンの吸収阻害が起きにくくなる
  • 安全性が高く、食中毒リスクがほぼない
デメリット
  • 一部のビタミン類が加熱によって減少する可能性がある
  • 調理の手間がかかる
  • 人によっては食感や味の好みに合わないことも
どちらが筋肉に効果的か?

結論から言うと、筋肉づくりにおいては「加熱卵」のほうが効率的です。消化・吸収率の高さ、安全性、栄養バランスの観点から見ても、加熱して摂取する方がメリットは大きいといえるでしょう。

おすすめの食べ方とまとめ

筋トレ後のリカバリーには、ゆで卵や卵焼きといった加熱調理がおすすめです。もちろん、生卵を使った料理も日本の衛生基準では安全な場合が多く、納豆やご飯と組み合わせれば栄養バランスもアップします。

卵は毎日の筋トレライフを支えてくれる、頼もしい味方。正しい知識で、より効果的に取り入れていきましょう!