たまご新聞「卵は洗わない方がいい?──ご家庭での取り扱いについて」

たまご新聞「卵は洗わない方がいい?──ご家庭での取り扱いについて」

広島県庄原市で採卵養鶏場を営んでいます、有限会社グリーンファームです。

日々の食卓に欠かせない卵。買ってきた卵を、調理前に「なんとなく汚れている気がして水で洗ってしまう」という方もいらっしゃるかもしれません。でも、ちょっと待ってください。卵はご家庭で「洗わないほうがいい食品」のひとつです。

実は、卵の殻には「小さな穴」があいています

卵の殻は、見た目はつるんとしていて硬そうですが、実は目に見えないたくさんの小さな穴(=気孔)があいています。この穴のおかげで、ヒナが育つために必要な酸素や水分のやりとりができるようになっているのです。

つまり、卵の殻は“完全な防水”ではなく、外と中をゆるやかにつなぐ仕組みを持っているということです。

卵の表面には「天然の保護膜」があります

産みたての卵の殻の表面には、「クチクラ」という天然の薄い膜がついています。これは卵の中身を守るための大切な膜で、気孔から雑菌や水分が入りにくくなるよう、バリアの役割をしてくれています。

ですが、このクチクラ膜は洗浄によって取り除かれてしまいます。日本の卵はとても衛生的で、採卵後すぐに衛生管理された施設で、適切な温度と洗浄液による洗浄・殺菌処理が行われています。
そのうえで、クチクラの代わりに衛生状態を保てるよう、すぐに乾燥・冷却して出荷まで丁寧に管理しています。

そのため、スーパーなどで手に入る卵はすでに清潔で安全に食べられる状態なのです。

◆ なぜ家庭では洗わない方がいいの?

「もう一度、水で洗ってから使った方が安心」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、家庭で水洗いしてしまうと逆効果になることがあります。

理由は、洗浄後の卵の表面がわずかにデリケートになっており、水が気孔から染み込むことで内部に雑菌が入りやすくなるためです。
特に洗ったあとすぐに使わず冷蔵庫に戻した場合、表面の水分から雑菌が繁殖するリスクもあります。


◆ 汚れが気になる場合はどうする?

どうしても殻の汚れが気になる場合は、

  • 使う前に乾いたキッチンペーパーや布で軽くふく
  • やさしくこする程度にとどめる

といった方法をおすすめしています。洗剤や水を使う必要はありません。


◆ 卵は“洗わない方が清潔”という少し不思議な話

見た目はつるんとした卵の殻ですが、実はとても繊細で、丁寧に取り扱うことで美味しさも安全性も守られます。

「洗わない=手抜き」ではなく、「洗わない=安心」なのです。

どうぞご家庭では、そのままの状態で安心してお使いください。